How to Breathe

新刊哲学書の比較的詳細な書評

デリダ対ラカン──ヘグルンド再訪

スピノザ主義者デリダ? ラカン的欲望の概念 デリダ的メシアニズムは何をためらう? 留保なき欲望の留保 スピノザ主義者デリダ? 私は以前マーティン・ヘグルンドの『ラディカル無神論』について「比較的詳細な書評」を書いたことがある。そのときの論点はヘ…

書評 ブルーノ・ラトゥール『地球に降り立つ』

1ブルーノ・ラトゥールは共同でキュレーターを務めた台北ビエンナーレ2020のコンセプトを、「あなたと私はおなじ惑星に住んでいない*1」と設定した。本書『地球に降り立つ』(新評論)のなかでラトゥールが示そうとするのも、今日の富裕層がもはやその他の…

マーティン・ヘグルンド『ラディカル無神論』(書評)

1マーティン・ヘグルンドのデリダ論(『ラディカル無神論』)の明晰は称賛にあたいするものだが、それにはどうやら代償がともなっているようだ。ヘグルンドは、「望ましいもの」はすべて《変転しうること、頽廃しうること、そして汚されうるということ》を…

マルクス・ガブリエルを擁護するために

2018年10月臨時増刊号 総特集◎マルクス・ガブリエル ―新しい実在論― (現代思想10月臨時増刊号)作者:マルクス・ガブリエル,野村泰紀,大河内泰樹,宮崎裕助,斎藤幸平,小泉義之,浅沼光樹,清水高志発売日: 2018/09/19メディア: ムック 1 アントン・コッホが皮肉…